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路上観察委員会 in Dresden, Germany
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20071113日(月)19:00

ゼンパーオペラ(ドレスデン)にて

原題 Le Nozze di Figaro

指揮 Massimo Zanetti

演出 David Mouchtar-Samorai

舞台美術 Heinz Hauser

衣装 Joachim Herzog

歌手 Graf Almaviva(Fabio maria Capitanucci), Graefin Almaviva(Ricarda Merbeth), Susanna(Lydia Teuscher), Figaro(Markus Marquardt), Cherubino(Anke Vondung), Marcellina(Christa Mayer), Bartlo(Georg Zeppenfeld), Basilio(Gerald Hupach), Barbarina(Kyung-Hae Kang), Don curzio(Timothy Oliver), Antonio(Juergen Commichau)

 

その日は何気なく立ち寄った店でゼンパーオペラの最新のパンフレットをもらい、路面電車を待つ間にぱらぱらと見ていた。その晩に「フィガロの結婚」があることを発見した時には路面電車に乗らねばならなかった。一駅先がゼンパーオペラとチケットインフォメーションセンターのある停留所。チケット買う?どうする?どうしよう?と焦って自問自答。結局、最上階の端の席を8ユーロ50セントで購入。

同居人が海外出張で留守のため、一人で決めて、一人でチケット買いに行って、一人でオペラ座へ。秘密の贅沢。

 

悪名高き「初夜権」が発端となっているストーリー。ヨーロッパ貴族社会の末期に書かれた戯曲でモーツァルトによって作曲され、フランス革命の3年前にパリで初演…フランスのどこにそんな余裕があったのか?

 

幕が開くまで当然のことながら、舞台美術は分からない…モダンだ。

美大の卒制展かギャラリーのインスタレーションのようだ。

モダンであってもいいのだが、中途半端にベニヤ板にペンキ塗っただけで済ますんじゃない!と言っておこう。

特に、私は端の席から斜めに舞台を見下ろしているため、ベニヤ板一枚の薄さが際立ち、ドアの開け閉めの時にさらにその薄さに磨きがかかり、なんとも薄っぺらい。正面から見ればいいのであろうが。

舞台美術や衣装がバリエに富んでいても、当たり前だが音楽は同じ。軽いメロディーをつけたセリフとチャラ~ン♪から始まるチェンバロのかけあいは、「そうだった、モーツァルトだったんだ」と思わせる。そうなると、ますます惜しい。やはり当時の時代考証に基づいた衣装と舞台美術であってほしい。当時のヒマな貴族たちのどぎつい悪戯は、やはり当時の衣装と舞台美術で見たい。

当時の室内の状況や衣装が前提になって動作やセリフや心情が成り立つものであるので、それをすべて取り払ってしまうと、何がこれらを納得させられるのだろうか、と思う。

劇中の隠れたり見つけたりのドタバタの場面は、家具調度品が大きく、しかも広い室内多く配置されており、装飾に満ちているためにかくれんぼが可能となるはず。現代の簡潔な家具が置かれたすっきりとした室内では、まずもって「隠れる」という発想は出てこないのではないだろうか。

 

さて、そのドタバタの場面。

第一幕の小姓ケルビーノ、伯爵、音楽教師バジリオが登場する場面における隠れたり逃げたり見つけてしまったりのドタバタは、歌手たちの演技と顔の表情が伴って大いに客席から笑いが起こった箇所。バジリオが布の下に隠れていると知らず伯爵は座り、驚いて飛び上がる。椅子の陰に隠れているケルビーノを見つけて思わず目をむいてしまう伯爵。

お約束の笑いの場面、とはいえやはり観客は楽しみにしている。

貴族たちのプライベートな笑いや悪戯や色気で満ちた空気をモーツァルトは知っているな、とモーツァルトを演奏する時、聴く時にいつも感じる。

 

伯爵夫人ロジーナ役ウマ!
聴かせてくれます、魅せてくれます。

何層も重なったようなレイヤー感のある、つつまれるような歌声。人間の声ってこんなになるんだ、としばし感心。

「昔はよかった、愛されていた」と歌う場面は、オペラ内で唯一しみじみムードなだけに、歌のウマさと相まって際立ちまくり。

「ウチの旦那も、昔は」などと思って聴いている熟年妻も場内に多し、のはず。


そんなに登場しないのに、やたら上手なのがいる、と思ったらバルバリーナ役の韓国人歌手。

彼女はいつも上手で思わず身を乗り出して毎回姿を確認してしまうのだが、体格もいい。とくに横幅。

アジア系の女性は、肌に独特のムチ感があり、太るとそれが倍増するらしい。彼女の場合とくにそれが顕著で、しかも顔が大きい。

周囲はヨーロッパ系歌手なので、その中に登場するとコピーの拡大・縮小のパーセントを間違えたか?と思ってしまう。

しかし、うまい。だから見逃そう。

フィナーレ近くなって、客席中央の天井から下がっている大きなシャンデリアの一部に灯りがつきはじめた。

おやおや、あかり屋さんがミスったか?と思ったら、最後の音とともに場内すべての照明が消えた。

おお!なんというビックリな演出。

目の瞳孔が狭くなったのを感じる。

その寸前までかなり場内明るくなっていたので、一瞬の暗転は効果大。


しかし、子供たちはこのオペラのストーリーをどのように理解するのだろうか?

初夜権をどのように説明するのだろうか?

つまりは、花嫁の処女を誰が最初にいただけるのか、ということ。

有名なオペラだけに、いらぬ心配を一人しながら石畳の道を歩いて帰ったわたくしであった。

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