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路上観察委員会 in Dresden, Germany
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今年の復活祭の最初の訪れは、同居人が知人からもらったという、ショッキングなレインボーカラーに完璧に彩色された大量の卵だった。いい具合の半熟卵に仕上がっていたので意外な安堵感はあったのだが、「これ、食えってか」としか思えないほど毒々しい。「Schwule Eier(ゲイの卵)はどこに行った?」同居人はラーメンのトッピングにすると言ってきかない。あまりにもスバラしくレインボーになっている卵。これも装飾のうちといえばそうなのだが、かなりシュール。
クリスマスシーズンには街中が赤と緑になり、サンタともみの木一色になる。それと対を成すように、まだ時折冷たい風が吹く春の初め頃、街中が薄いグリーンとイエローというフレッシュ感溢れる色合いに染まり、卵とうさぎで埋め尽くされる。これが復活祭であり、ドイツ語では「オースター(Ostern)」という。復活祭とは、十字架にかけられたキリストが三日後によみがえったことに由来し、クリスマス以上に復活祭のデコレーションや行事の習慣などが国によってバリエーションがある。語源的にはユダヤ教の過越しの祭に由来するし、キリスト教以前から卵は生命のシンボルとしてこの時期に装飾されていたし、ゲルマン人たちは春の訪れを卵と多産の象徴であるウサギで祝っていたという。今日定着しているキリスト教の行事は、古代ローマ時代や古来から現地に伝わる慣習に由来しているかミックスしたものが多く、クリスマスしかり復活祭しかり。私が住むドイツでは、可愛らしいウサギと卵が何かにつけ登場するのが相場となっており、卵を隠して探し当てる遊びと木に卵を下げることで決着がついている。
68fd4e67.jpgこの時ばかりは伝統的な装飾を施された職人技の卵にはじまり、アイディア満載の卵および卵型のチョコレートが目を楽しませてくれる。ショーウインドーはいずれもリキが入っており道行く人々が張り付いている。どのチョコレートメーカーもうさぎと卵の特別商品を販売し、見た目的にもかわいらしいコロコロと小さなチョコレートはボウルに入れておくとつまみ食いには最高となる。
ところで、美術館の所蔵品として、あるいは歴史ある館や城の片隅に装飾品としてしばしば見かける「卵」の置物。あるものは大きなダチョウの卵に精巧な模様が描かれ、金細工が施されて台座の上に鎮座している。王侯貴族たちの珍品コレクションかゲテモノ趣味の一環だろうと思っていたのだが、どうやら復活祭にちなむ装飾品だということを知って地味に驚いた。
9200a7b8.jpg今年、ドレスデンの中心地にあるショッピングモールに特大の卵が出現した。通路の中央に緑が設けられ、ブランコに乗ったうさちゃんなど、幼稚園チックな夢あふれるカワイイ空間が登場したのだが、そこに置かれた巨大な卵にペイントされていたのは、グラフィティ…早い話が落書きアート。通常は、高架下や裏通りにある壁やシャッターにスプレーで描かれた「イリーガルなアート」。最近はグラフィティが認知されるようになり、美術館で展覧会が開催されたりしている。不法ゆえの迫力や不良性といったものがウリのグラフィティなのだが、たとえリーガルに描かれ公共の場に披露されたとしても、迫力は削がれておらず異様な存在感を醸し出していた。一番のお気に入りは卵の中から今まさに殻をぶち破って飛び出る瞬間の恐竜の卵。鋭い牙、鋭い爪…確かに恐竜は卵から生まれるから間違ってはいないし組み合わせ的にはバッチリなのだが、遠近法のお陰であまりにもリアルすぎて呆気にとられてしまった。
冷蔵庫に必ずある卵。それがこの期間だけ主役になる。これほど両極になり得る食品もそうはないことを考えると、卵の奥深さにちょっと尊敬したりする。しかも安いし。
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女性
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ライター、ジャーナリスト(建築系)
自己紹介:
横浜育ち、現在ドイツのドレスデン在住。
専門分野は建築史(住宅史)。

活動
■某建築系雑誌のコレスポンダント
■ドイツ在住日本人向け情報誌ドイツ・ニュース・ダイジェストの「私の町のレポーター」のライター
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